◆ ミニドラマ台本
舞台ライトOFF 客席ライトOFF
スタッフ、マイクのセッティング
小杉さん、千葉さんスタンバイ後、スポットライト2人分ON
(SE)明るい音楽。

雷明 「…全く!暁の奴、いつまでも花夜野に甘えおって!なーにが一人じゃ寂しいだ!」
天晴 「楽しみにしていたお花見なのに、一人だけ風邪ひくなんてね」
雷明 「放っておけばいいんだ、全く。久しぶりに一緒に出かける予定だったのに」
天晴 「花夜野は暁を寝かせて来るって言ってたじゃない。それにしても狐のくせに風邪なんて。
人間ぼけして、鍛え方が足りないんじゃないかな、暁は」
雷明 「俺はそんなヤワに育てた覚えはないぞ!」
天晴 「確かに。雷明は暁のこと、昔から乱暴に扱ってばっかりだったもんね。
あっ!だから今あんなに生意気なのかも…!反抗期だ、反抗期!」
雷明 「誤解を招くようなことを言うな!あれは愛のムチだ!ケモノ世界の掟なんだ!」
天晴 「…ふーん。それにしては花夜野には、最初から甘かったじゃない」
雷明 「…それはだな…花夜野は昔から小さくてふわふわでぼんやりしていたじゃないか。だからその、何だ」
天晴 「ふん。娘には甘い頑固親父ってやつ」
雷明 「…おい、花夜野はオスだぞ」
天晴 「風邪引いた暁のことはそんなに心配してないのに、花夜野がちょっと遅れてくるってだけで
拗ねちゃってさ(拗ねる仕草をお願いします)」
雷明 「何だそのいいぐさは」
天晴 「べっつにー」
雷明 「おい、お前こそ何でそんなに不機嫌なんだ。折角の花見なんだ、もっと楽しそうにできないのか」
天晴 「…不機嫌で楽しそうじゃなくて悪かったね。どうせ僕とじゃつまんないんでしょ!いいよ!僕帰る!」
雷明 「おい!天晴?!」
天晴 「花夜野とパパと娘ごっこでもしたらいいじゃないか!ふん!」
雷明 「俺はつまらないなんて言ってないだろう!お前とニ人っきりで楽しいぞ!」
天晴 「…(小声で)ほんと?」
雷明 「もちろんだとも!お前がいなかったら楽しいわけがない!」
天晴 「雷明…」
雷明 「天晴…(※)いったー!おいっ、今思いっきり噛んだな!血が出てるじゃないか!」
※天晴、雷明にかみつく。千葉さんは「がぶっ」という台詞をお願いします。
天晴 「…何か急に牙がかゆくなったんだもん」
雷明 「天晴!お前照れ隠しに噛むの止めろって言ってるだろう!俺の体が持たん!」
天晴 「ふん、雷明こそ鍛え方が足りないんじゃないの」
雷明 「天晴…お前…」
鈴木さん登場、スポットライトON(だんだん明るくしていく)
花夜野 「おーい!雷―明―!天―晴―!」
天晴 「花夜野―、こっちだよー」
花夜野 「はあはあ、遅くなってごめんね。あーちゃん、だいぶよくなってぐっすり眠ったから、
先生にお願いして出てきちゃった」
雷明 「暁なんてほっとけ!風邪といってもあいつのは半分仮病みたいなもんだ!」
花夜野 「雷明…ひどいよ」
天晴 「花夜野をひとりじめしたい病だよ、暁は」
花夜野 「天晴まで…あーちゃんがかわいそう。あんなに苦しんでたのに」
天晴 「(小声で)僕、布団の中からピースしてるの見た」
雷明 「(小声で)俺は花夜野におかゆを食べさせてもらって、ニヤけた顔をしているのを見た」
花夜野 「…あーちゃん、ハアハアしてて、本当に苦しそうにしてたんだよ。
大丈夫かな…置いてきちゃって寂しがってないかな」
天晴 「(小声で)騙されてる…」
雷明 「(小声で)ああ、完璧にな」
花夜野 「やっぱり僕、あーちゃんの側についてあげてた方がよかったかな。ねえ雷明、天晴、どう思う?」
天晴 「(優しげに)大丈夫だよ。逆に花夜野に風邪がうつったりしたら、暁だって困るし。
何よりずっと看病してると疲れちゃうしね。少しリフレッシュして、花夜野が笑顔でないと暁も悲しむよ」
花夜野 「天晴…ありがとう」
天晴 「それより…(匂いをかぐ仕草をして)くんくん、何だかいいにおいがするね」
雷明 「(匂いをかぐ仕草をして)ふんふん、そうだな。いいにおいがするな」
花夜野 「あっ、そうそう。僕、お弁当作ってきたんだよ。先生に習って初めて作ったんだ。
祐君も手伝ってくれたんだよ。みんなで一緒に食べようね」
雷明 「弁当!」
天晴 「卵焼きある?卵焼き!」
雷明 「肉!肉は入ってるか!」
花夜野 「ふふ、卵焼きもお肉もおにぎりも、色んなものたーくさん作ってきたよ。おいしくできてるといいけど」
天晴 「やった!卵焼き!」
花夜野 「いっぱいあるからね。みんなで食べようね」
雷明 「花夜野の手作り弁当、か…楽しみだな」
花夜野 「ふふ、みんなで、あそこの桜の木の下で食べようか」
天晴 「ワクワクだね」
雷明 「ドキドキだな」
花夜野 「…あんまり期待されると、恥ずかしいけど。それでは…じゃーん!どうぞ!」
天晴 ・雷明「…うっ!!」
花夜野 「これがね、天晴の好きな卵焼きで、こっちが雷明の好きなお肉。魚もあるよ」
天晴 「(恐る恐る)…花夜野、この卵焼きに入ってるブツブツした黒い物は何かな?」
花夜野 「あっそれはね、カエルの卵を混ぜて焼いてみたの!ダブル卵で栄養があると思って!」
天晴 「(小声)ダブル卵、ね…確かに…」
雷明 「(恐る恐る)…花夜野、この肉に巻いてある緑のものは何だ?」
花夜野 「それはね、先生はインゲンを巻いてたんだけど、インゲンがなかったから、イナゴを巻いてみたんだ。
色も似てたし」
雷明 「(小声)イナゴか…イナゴな…歯ごたえがあっていいかもな…」
天晴 「(恐る恐る)…このおにぎりの周りにへばりついているベトベトの黒っぽいものは?」
花夜野 「あ、それはチョコレート!先生は海苔を使ってたんだけど、僕、チョコレートが好きだから
おいしいかと思ってチョコをつけてみたんだ」
雷明 「(小声)…海苔でいい、海苔で」
天晴 「先生、もっとちゃんと教えてやってくれよ…」
花夜野 「どんどん食べて!はい、雷明、あーん?」
雷明 「…うっ!」
花夜野 「(悲しそうに)…雷明、僕の作ったお弁当、食べたくなかった?」
雷明 「そんなことないぞ!うまそうだ!」
花夜野 「ほんと?じゃあ、雷明の好きなお肉ね。あーん」(お箸を突き出して)
雷明 「…う、ううっ…あ、あーん」(嫌そうに観念して食べる振りをする)
花夜野 「…どう?おいしい?」
雷明 「…ぐっ、ごほっげほっ、ごほごほっ!」
花夜野 「(心配そうに)…雷明、おいしくなかった?」
雷明 「(苦しげに)ごほっごほっ、い、いや、うまいぞっ!うぐっ!」
天晴 「(小声で)…あーあ、無理しちゃって」
花夜野 「あ、天晴は卵焼き好きだよね!卵焼き、結構うまくできたと思うんだ」
天晴 「えっ、いや、僕?僕は…あっ、ほらっ、雷明がすごーくおなかすいてるっていうから、
後からゆっくり食べるよ!」
雷明 「あっ、天晴、お前!」
花夜野 「たくさん作ってきたから大丈夫だよ!天晴にも僕のお弁当、食べてほしいな」
天晴 「花夜野…」
花夜野 「はい、天晴、あーん?」
天晴 「うう…あ、あーん…うぐっ!」
花夜野 「天晴、おいしい?」
天晴 「ぐぐぐっ…ううっ…げほげほっ、ううっ…!」
花夜野 「天晴、どうしたの?お茶飲む?それともおいしくなかった?」
天晴 「…ううっ、お、おいしいよ!この何ともいえないプチプチというかぬめぬめした食感が、斬新だね!」
花夜野 「そう?よかった!もっとあるから、いっぱい食べてね!」
雷明 「…これはあれか、暁の呪いか?」
天晴 「…ものすごい破壊力だよ」
雷明 「無事家に帰れるといいな…」
天晴 「そうだね…あはは、あはははは!」
雷明 「わははははははは!」
花夜野 「ふふ、二匹とも楽しそうでよかった!どんどん食べてね!」
雷明 「わはは、うまいぞうっ!」
天晴 「わあ、このおにぎり甘くてとってもおいしいよ!」
花夜野 「お花見って楽しいね。雷明、天晴!…暁も一緒に来れればよかったのにね」
(SE)花夜野のお尻のポケットに入れていた携帯電話が鳴る
花夜野 「電話、また先生が貸してくれたんだ。あっ、あーちゃんからだ!起きたのかな?」
天晴 「僕がしゃべる!」
花夜野 「あ、そう?ちょっと待ってね」
花夜野、天晴に電話を差し出す
天晴 「(機械的な声で)只今電話に出ることができません。ピーッという発信音の後に、
メッセージをお入れ下さい。ピーッ」
携帯を切る
花夜野 「あっ、ひどい!天晴!今のあーちゃんだったのに!」
(SE)花夜野の持っている携帯電話が鳴る
花夜野 「あっ、またあーちゃんからだ!」
雷明 「待て、花夜野。今度は俺が出る」
花夜野 「いいけど…イタズラは駄目だよ」
雷明 「もちろん」
花夜野、雷明に電話を差し出す
雷明 「(機械的な声で)只今運転中です。只今運転中です。後ほどおかけ直しください」
携帯を切る
花夜野 「雷明まで!もう、意地悪!あーちゃん、一人で置いてきちゃったから寂しがって電話してきてるのかも
しれないのに!ひどいよ!」
天晴 「せっかくの父母娘水入らず」
雷明 「邪魔は無粋だ」
花夜野 「…僕はオスだよ。もう、二匹ともイタズラ好きなんだから…」
(SE)花夜野の持っている携帯電話が鳴る
花夜野 「あっ、あーちゃんだ!」
花夜野、電話に出る
花夜野 「あーちゃん、大丈夫?起きたの?具合はよくなった?…うん、置いてきちゃってごめんね」
雷明 「拗ねてるな、暁」
天晴 「拗ねてる拗ねてる」
花夜野 「…うん、うん、僕もあーちゃんがいないと寂しいよ。うん、うん…」
天晴 「寂しいなんて言っちゃってさ。暁のぶりっこ!」
花夜野 「うん、うん…うん。あーちゃんこそ、あったかくして寝てなきゃ駄目だよ。もうすぐ帰るから…うん」
雷明 「けっ、甘えおって、暁の奴」
花夜野 「あ、そうだ。あーちゃん、僕、あーちゃんのためにちゃんとお弁当作って置いてあるからね。
台所のテーブルの上に、そう、うん…おいしいといいんだけど…うん、うん」
天晴 「…まさか」
雷明 「まさかだな」
花夜野 「ふふ、そんなに喜んでもらえて嬉しいよ。うん、うん、帰ったら感想聞かせてね。
うん、じゃあ、お土産買ってくるからね。うん、じゃあね」
花夜野、電話を切る
天晴 「(小声で)…花夜野、暁のお弁当って…」
花夜野 「あ、このお弁当と同じだよ。あーちゃんの分がないとかわいそうだと思って、ちゃんと別に
置いてきたんだ。あーちゃん、すっごい楽しみにしてくれてた。ふふ、今すぐ食べるって言ってたよ」
雷明 「暁…」
天晴 「(小声で)僕たちが帰った時、生きてるといいけどね」
雷明 「(小声で)無事でいろよ…暁」
花夜野 「…さあみんな、まだたくさんあるよ!どんどん食べてね!」
天晴・雷明 「…はー…い」
(SE)バッグで流れていた音楽が大きくなって終わり。

◆ イベントしおり(心理テスト) - 画像をクリックすると拡大版を表示します。
しおり(心理テスト1) しおり(心理テスト2)
しおり(心理テスト3) しおり表紙

◆ イベントしおり(ミニドラマ、入れ替わりアフレコ) - 画像をクリックすると拡大版を表示します。
しおり(ミニミニドラマ1) しおり(ミニミニドラマ2)

Copyright(c) K-BOOKS INC. All Rights Reserved.
Return to Atis collection Homepage