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Recording Report

地獄めぐり(上) 収録レポート


『地獄めぐり(上)』の収録に行ってまいりました。
収録当日は朝早くから次々とキャストの皆さんがスタジオ入り。
スタジオ内は収録前から、わきあいあいとした雰囲気に包まれていました。
前半から参加されるメンバーが揃ったところで、キャストの皆さんの紹介が行なわれ、原作者の九重先生のご挨拶の後、 テスト収録へ。
数シーンを演じていきながらそれぞれのキャラクターの設定を行います。

物事に動じない、クールビューティーな緒野瀧群役の寺島さん。
テストでは落ち着いた低めのトーンで瀧群を演じて下さいました。どこか陰があり、艶っぽい瀧群がとても素敵です! 
抑えたトーンがムーディーで先生のイメージぴったりということで、テストは一発OKでした。
地獄の王様・閻魔羅闍役の森川さん。第一声から男の色気が全開です! 
その重低音ボイスはまさに威厳たっぷりな閻魔王そのもの。思わずぞくっとするようなフェロモンがあふれ出しています。
スタッフ一同、テストの段階から思わず聞き惚れてしまいました。
そして吽傍役の羽多野さんと阿傍役の鈴木さん。
吽傍と阿傍は本来は牛頭馬頭の鬼で、人間の姿に変身しているため、人間バージョンと鬼のバージョンで演じわけをして頂かねばなりません。
まずは人間バージョンのテスト。
吽傍役の羽多野さん、ムードメーカー的な役割を担う、ハキハキした明るいワンコ系キャラの吽傍を元気いっぱいに、
阿傍役の鈴木さんは吽傍に比べると少し落ち着いた大人っぽい雰囲気で演じて下さいました。
どちらも阿傍・吽傍そのものといった役作りにこちらも一発OK。
そして鬼バージョンでは、羽多野さん、鈴木さんともに太く獣っぽさを出して演じて頂いています! 
人間バージョンとはガラッと雰囲気や声が違い、その演じ分けの巧みさには驚かされます。
桐嶋役の千葉さん。
思わず瀧群が惹かれてしまうのも分かるような、どことなくほっとけない雰囲気で演じて下さいました。
さらに先生から「もう少し冴えない感じでもいいです」というリクエストに、すぐさまキャラクターに反映してくださる千葉さん。
キャストの皆さんのイメージぴったりの演技にすぐに本番へ進みます。

物語は役所勤めの瀧群が地獄の仕事を任される回想から始まります。
初っ端からインパクト大の一風変わった展開に、「どうなるんだろう?」と引き込まれていきます。

緒野瀧群役の寺島さん。
クールな台詞回しや空気感が瀧群の雰囲気にぴったりでした。
落ち着いたトーンを基本に、閻魔に振り回されながらもどんどん彼に惹かれていく…という感情の揺れ動きを丁寧に演じて下さいました。
どことなく色っぽく、吐息と声の混じった台詞の言い回しがとてもムーディーで艶めいています!
そして、地獄を舞台に繰り広げられる作品のため、作中には難しい単語が多数登場しますが、
寺島さんのよどみない台詞回しにスタッフ一同関心しきりでした。
過去に犯してしまった過ち。閻魔との関係の先の見えない不透明さ。身体は繋がっていても心は――?
寺島さんの紡がれるモノローグと台詞から、抑えた中にも絶妙に表現された瀧群の閻魔への想いが見え隠れしています。
その繊細な演技は必聴です!

閻魔王役の森川さん。
こんな閻魔様がいるなら地獄に落ちてもいいかも…と思わず思ってしまうほど素敵です! 
森川さんの一言一言から、カリスマのオーラがむんむん漂っています。
元は人間の閻魔。威厳たっぷりの閻魔が、実は人間っぽい一面を覗かせたり、苦悩したりするシーンでは、
閻魔が心の奥底に抱えている葛藤や瀧群に対する感情が切ないほど伝わってきます。
愛情を持つことを否定しつつも、瀧群にどこかで愛を求める閻魔。その複雑な心情表現はさすがの一言。
威厳のある閻魔のかいま見せる弱さが胸を打ちます。

一方、時折冗談を言ったりしてスタジオ内の雰囲気を和らげて下さる森川さん。閻魔が眠っているシーンで、

「モリモリ、寝息を下さい」
森川さん 「ぐおおおおおおおー!」
と豪快すぎる寝息にスタジオ内は大爆笑。もちろんその後、素敵な寝息を聞かせて下さいました。


吽傍役の羽多野さんと阿傍役の鈴木さん。
まさに阿吽の呼吸といったチームワークの良さです! 鬼でありながら、人間より人間らしい部分のある吽傍と阿傍。
独特の世界観の中、吽傍と阿傍の仲の良いやりとりによって物語にパッと明るい光が差します。
二人のかけあいのシーンでは、「せーの」とアイコンタクトをして演じられる羽多野さんと鈴木さん。
シーンがだんだん進むにつれ、アイコンタクトも必要ないほど息がぴったりの演技にスタッフからは感嘆の声が。
特に吽傍と阿傍のジャンケンのシーンは必聴です!
明るく元気な吽傍と飄々とした阿傍の絶妙なコンビネーションを体現したかのような羽多野さんと鈴木さんのお二人。
人間バージョンと鬼バージョンの演じ分けも見事で、生き生きとしたキャラクターに仕上がっています。

桐嶋役の千葉さん。
冴えないトーンの中に、大人の男性の寂しさやずるさが滲んだ演技が素晴らしいです。
特に聞き所なのは、地獄の裁きで閻魔の問いに対する桐嶋の答えのシーンです。
桐嶋の回答の意味とは――。このシーンに込められた深い意図が千葉さんの巧みな演技によって見事なまでに表現されています。

今回の現場はとにかくわきあいあいとした雰囲気。桐嶋と瀧群の過去のシーンでは、
寺島さん 「…あ、緒野…瀧群です」
千葉さん 「…どっちも苗字(笑)?」
全員 「(笑)」
とベテランの皆さんが若手の方々を和ませて下さったりして、楽しいムードで収録が進んでいきます。
そして途中で烏枢沙摩明王役の三木さんも合流。
「やっぱり全員揃うといいね(笑)」
三木さん 「よし、しまっていこう!!(笑)」
全員 「(爆笑)」
そんな三木さん、キャラクターを確認するテストでは、何を考えているか分からない烏枢沙摩明王をイメージぴったりに表現して下さり、
こちらもすぐに本番へ。全てを見通したかのような独特の雰囲気で、瀧群と閻魔の間のスパイスとして存在感たっぷりに演じて下さいました。
その存在が二人の関係を大きく動かす一因にもなっていますので、お楽しみに!
作中、閻魔役の森川さんとのやりとりでは、お二人共オーラたっぷり、どっしりとした雰囲気のあるシーンに仕上がっています。

物語のクライマックス、桐嶋の件を通してすれ違う瀧群と閻魔。
瀧群が閻魔に怒りをぶつけ、爆発するシーン。そんな瀧群に閻魔は――?
閻魔の想いに触れ、自分の気持ちに気付く瀧群。
寺島さんが紡がれる繊細なモノローグから桐嶋への想い、閻魔への想いが痛いほど伝わってきます。
そして、そんな瀧群に問いかける閻魔の心情。感情を押さえ込みつつも、どこか諦めと悲しみが滲んだその演技はまさに妙技。
閻魔の発する一言一言が何とも切なく、想いが強く胸に迫ってきます。お互いを想っているのにすれ違ってしまう――。
お二人の熱演に、その場の全員が耳を澄ましてただただ聞き入っていました。

さて、二人が肌を重ねる場面では、どのシーンもそれぞれ原作の雰囲気を大事に丁寧に演じて下さいました。
声をたくさん出すというより、声にならない声と息を使って表現をしてほしい、というリクエストに真剣な表情で頷かれる寺島さん。
「モリモリに導いてもらってね」
お二人 「(笑)」
キス一つ、息一つにこだわったシーンは、どれも何とも艶めいた素敵なシーンに仕上がっていますので、お楽しみに!

そして今回は番外編の『想い出めぐり』も収録されています。こちらでは、瀧群が初めて地獄に来たシーンを描いています。
本編とは違った雰囲気の番外編も聞き所満載です。
以上、キャストの皆さんの熱演により収録は順調に進み、無事終了となりました。

そして、続くフリートークでは、寺島さん、森川さん、羽多野さん、鈴木さん、三木さんの五人で、楽しいお話を繰り広げて下さっています。
エンディングトークでは鈴木さんが、特典フリートークでは羽多野さんと鈴木さんのコンビが司会を務めて下さり、
収録中のお話や共演のご感想など、ここでしか聞くことが出来ないお話が詰まっています。
本当にわきあいあいとした雰囲気で、森川さん&三木さんという先輩達を前に緊張気味の司会のお二人(笑)や、
仲良し若手三人組の微笑ましいお話などがもりだくさんですので、ぜひぜひこちらもお手に取って頂ければと思います。

原作の世界観をそのままに、ファンの皆さんの期待を裏切ることのないできあがりとなったドラマCD『地獄めぐり(上)』。
2010年1月28日発売です! 皆さん楽しみにお待ちくださいね!!

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