Atis collection

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Interview
(写真左から)
武士役
 花輪英司さん
牧野登和 役
 福山 潤さん
本多滋人役
 中村悠一さん
牧野輝役
 緑川 光さん

Question01 収録を終えてのご感想をお願いします。
中村さん 「(フリートークで)思ったより収録の時間がかかったと言ったんですが、それは悪い意味で言ったのではなくて、
セリフ量だったり今回読んだ部分に関して求めているものが割と一定内のハードルのところまでだと僕は思っちゃったんですよね。
直接的な会話のやり取りでお芝居をするんじゃなくて、メールだったり筆談だったり手話になっているので、噛み砕いて、
一回テンションを上げて落とした後のセリフになっているから大丈夫かなと思ったんですけれども、それで実際に長時間相手と
やり取りをするとなるとすごく大変で、引っ張り合えないというかかけ合えないことが難しいんだなというのを感じました。
自分としては、ストレートに感情を出したいところも一度抑え込んで演じなければならないという部分で大変でした。
今までこういう風にしてドラマCDを作るというのは経験もないですしね」
福山さん 「難しかったですね。何が難しいかというと、色んなところが難しかったんですけど、まず題材と自分がどういう風に向き合えばいいのかなと
いうところと、最初のスタンスを固めるまでが自分の中で大変でした。
そしていざ収録をしてみると、自分の体を通して出していくものが100%自分のイメージ通りに出来なくて。
今回はやっぱり表現として新しい試みが多かったので、最終的に聴いている方々にどのように聴こえるんだろうかというイメージが
うまく湧かなくて、掴めないままやることが難しかったです。
何かしら自分の中で決めたイメージ、こうなっているはずというものがある中で演じるのが普通なんですけれども、今回はそれがない中で
演じるので、そういうところが難しいなと。ただ本質の部分で言えば、気持ちを確かめ合うという内容なので、そこのところは一切揺るぎは
なかったんですが、最初に手法としての難しさを今回こんなに味わうとは思ってなかったです(笑)」
花輪さん 「今回、僕の役どころとしては、普通というかボランティア精神と友情をあわせ持ったいい若者なんですけれども、
今回のテーマが聾者ということだったので、こういう難しいテーマに取り組む時にどこに重きを置けばいいのか、
例えばリアリティーを追及しすぎてもそれは聴いている人に伝わるんだろうかとか、じゃあリアリティーを少し排除してわかりやすく
伝えるのかというバランスを取るのがすごく難しいテーマの作品でした。
タイトルも『瞳をすまして』ですけれども、これはオーディオドラマですが、目を見て判断というか、見て状況を掴むとか、
そういうことでしか状況を掴むことの出来ない大切さというか、そういうものがテーマですので、こういう言い方してはなんですが、
作品として面白いというか、そういうテーマを少しでも皆さんに感じてもらえたらいいなと思います」
緑川さん 「全体のボリュームがすごいじゃないですか。それからしたら喋ってない方なのかもしれませんけれども、要所要所でポツンポツン
と出てきて、ずっと怒っている感じで(笑)、でも怒っているというか弟を大好きだからそういう風になっちゃっているんですけれども、
このまま最後までいったら寂しいなと思っていたら、ちょっと和解したような感じだったのでホッとしました(笑)」

Question02 作品中、印象に残ったシーン・聞いて欲しいシーンなどありましたらお聞かせください。
中村さん 「最初に原作を読ませて頂いた時に思ったのは、物語がもう少しキュッとシェイプアップ出来るストーリーなのを、
あえてディスク2枚で作るということで、一つ一つの情景を丁寧に描いていて、会話のやり取りもああいうやり取りをしているので、
聞いていてテンポが悪いなと思うところもあるかもしれないですが、原作を読んでいる方のイメージを壊さない様に
心情の部分がちゃんと出せているというか、一足飛びで感情が進んだなと思う場所が少ないと思うので、
そういうところをぜひゆっくり聞いて頂きたいなと思いました」
福山さん 「本当に今回は難しいところがすごく多くて。自分の中で“声を出す”という表現が、どうやれば一番伝わるのかなという部分と、
どうやるのが正しいのかなという、あえて正しいという言い方をしてしまいますけど、どう演じるのが正しいのかと色々考えまして。
そんな中、反対側のホームにいる滋人に呼びかけるシーンがあるんですけれども、あそこのシーンは何も考えずにやらせてもらって、
思いのほかイメージに近いものが出来たなと思ったらマイクが歪んでリテイクになったというのが一番印象的ではあったんですが(笑)、
でもそこのシーンは思いのほか、自分の中でまだ手探りに近い序盤だったので、そこでいい感触を掴めたので、
その後演じていく方向で助けられました。そこのシーンの仕上がりが聞き所というよりかは自分でも一番気になっているところなので、
どういう風になっているのか聞いて頂きたいと思う部分です」
花輪さん 「僕もまだ全ては聞いていないんですけれども、聞き所と言っていいのかわからないですが、僕が完成品を聞きたいなと思っているのは、
全体を通しての福山さんのキャラクターの感じる心情だったりとかそういうものを完成品でしっかりと聞きたいし、
皆さんにも聞いてもらいたいなと思います」
緑川さん 「どこといいますか…やっぱり手話で会話するということを経験したことがなかったので、全体的にやっぱりそれが“へぇー”
という感じでしたね。僕は演じることがなかったんですけど、携帯とかノートとか、色々(表現が)あるじゃないですか。
台本にはそういう注釈がそのまま書いてあるから分かるけれども、音にする時って注釈を付け加えることができないので、
音響の阿部さんが苦労されたんだと思うんですけれども、他の方がやっているのを聞いたらなるほどな、と。
色々普通ではやらないような表現がたくさん出てくるので、その差をみんなちゃんと考えてやられていたと思うので、
その違いをぜひ聞いて頂きたいと思います」

Question03 共演されたご感想をお願い致します。
中村さん 「皆さん先輩だったので、そういう意味では引っ張ってもらおうかなと気楽にスタジオにやって来たんですけれども(笑)」
花輪さん 「(小声で)このやろー!(笑)」
福山さん 「(笑)」
中村さん 「手話も、滋人は最初手話が出来ないじゃないですか。だから手話をどう表現するかなというところも、
他の皆さんが先に演じられるので(笑)」
花輪さん 「(小声で)このやろー!(笑)」
福山さん 「(笑)」
中村さん 「おおよその手話のイメージを自分の中では作っては来てたんですけれども、福山さんは手話をしながらは喋られないので、
モノローグが被さるという形になっていますけど、じゃあ(滋人は)どうしようかと。
でも花輪さんが先に手話を演じられているのを聞いて、これに習うしかないと自分に言い聞かせて現場でやらせて頂いたので、
そういう点では武士という役をですね、花輪さんにやって頂けて僕は助かりました(笑)」
福山さん 「殴っていいですよ?(笑)」
花輪さん 「仕事の進行上助かりましたみたいな?(笑)」
中村さん 「しっかりした方にやって頂けたので嬉しかったです。良かったです(笑)」
花輪さん 「光栄でございます(笑)」
中村さん 「いえいえ(笑)」
福山さん 「メンバー的に、僕としてもすごく安心できる方達と共演できたので、助けられましたね。
僕が比較的浮ついた感じになってしまうので、両脇で武士と滋人がちゃんと重みのあるところをキープして下さったので、
重りをつけなくてよくなったという部分が大変助かりましたね。僕、結構勝手にイメージがふわふわする部分があるので」
スタッフ 「そんな風には全く感じませんでしたが…」
福山さん 「実際聞いていて感じられない部分があるかもしれないですけれども、こういう繊細な子の場合、自分の中でそういう不安を
いつも抱えて演じていたりするので、逆にその他のキャラクターの人達が、僕じゃなくてキャラクターを見据えてセリフを言ってくれることで、
イメージが僕の中で維持できるという部分が多々あるので、それに関しては本当に花輪さんとゆうきゃんで助かったなと思います」
花輪さん 「開始前に音響監督からこのメンバーなので安心してどうぞみたいなお話を頂きまして(笑)」
福山さん 「それで僕らは安心できなくなった(笑)」
中村さん 「(笑)」
花輪さん 「そこでちょっと枷をつけられましたけど(笑)。確かに自分のことは置いておいて、ある種任せておけば僕は自分の好きなように出来るな
と思えるメンバーでしたので、現場でほとんど何も考えずに、家でやってきたことをそのまま出せる数少ない現場でしたね(笑)」
緑川さん 「できたら個人的には中村君のキャラクターと絡みたかったんですが、何気に家族の団欒のシーンが好きでした(笑)。
もしかしたら皆さんが聴くことはできないかもしれないんですけれども(笑)、ああ、家族だよねって感じで楽しかったです(笑)」
(※家族団欒のシーンは緑川さんの楽しいアドリブが満載でした)

Question04 ファンの方への一言をお願いします。
中村さん 「他のドラマCDとかだと、こういう風に仕上がるんだろうなという見当はつくんですけれども、この作品に関しては
全然わからないですし、ひょっとしたら制作していく上でスタッフの方の相談の上で、ここはもう少しこうしようとかで
処理方法を変えるシーンとかも出てくると思うんです。
なので、全然最終的なイメージが分からず、逆に言うとそれは自分の聞く楽しみにもなってますので、僕自身は
本当にト書き一つ読んでいても、これってどうやって音で伝わるんだろうって思うことが一杯あったんですよ。
まあ、ジャケットを羽織る息とか入れましたけど(笑)、これが客観的に聞いてそういう風に聞こえるか? と
思いますし、ひょっとしたら(音響監督の)阿部さんが、この声いらないんじゃないですかね? って切って
パサッという音だけになるかもしれないですから(笑)、そういう点もふまえてですね、これからの勉強にもなりますから
自分でも聞きたいなとも思いますし、皆さんもぜひ今までにないドラマCDの形という気がするので、聞いて頂いて
楽しんで頂ければいいなと思いますので、宜しくお願いいたします」
福山さん 「どういう仕上がりになっているのかわからないというのは、ゆうきゃんと同じなんですが、その分聞く方に対して、
我々はむしろ聞いてどんな感じだったか、皆さんがどういうふうに感じたかを教えて頂きたいなと思います。
もちろん自分でも聞きますし、自分の感覚もあるんですが、ここはこういう風に伝わった、もしくはこういう風に感じたっていう思いを、
もし伝えたいなと皆さんが思われたら、ぜひぜひ我々の方に伝えて頂きたいなと思う1枚、いや2枚になっていると思います。
心情ラインだけじゃなくて、彼らの気持ちを伝える術が、皆さんへどういう風に訴えかけるのかというのが、我々の中での
勝負の一つでもありましたので、ぜひぜひ感想をお寄せ頂けたら嬉しいです」
花輪さん 「今回は僕だけじゃないと思いますけれども、やったことのない試みを4人でやった作品だと思うので、僕自身も出来上がりが
楽しみですけれども、その完成した作品を皆さんに聞いてもらえるのが楽しみですので、ぜひ聞いてみてください」
緑川さん 「ボリュームもすごいし、主演している福山君と中村君の相性もいいし、何より福山君が演じるのが大変だったと
思うんですけれども、本当に忙しい中、一生懸命根をあげずに最後まで真摯にがんばった姿勢がとてもすばらしいなと思ったし、
それだけのものができていると思うので、ぜひ買って聞いて頂きたいなと思います。たくさんの方が買って聞いて頂いたら、
やっぱり輝の話があるんじゃないの(笑)って思いますので、ぜひ宜しくお願いします(笑)!」

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