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     ※本レポートは一部ネタばれを含みますので、ご注意ください。
 
 都内某日。ドラマCD「最恐教師~教師も色々あるわけで~」の収録が行われました。
 本作品は、以前弊社で発売された大和名瀬先生原作の大人気ドラマCD「教師も色々あるわけで」シリーズのスピンオフ作品。
 前作では小学校教師・古森とその同僚・多岐川との恋愛模様が描かれていましたが、
 今作では、古森が担任するクラスの生徒・藤田裕紀の父親である藤田孝紀と古森達の同僚で
 学年主任の井吹隆也がメインのラブストーリーです!
 
 朝早くからの収録にも関わらず、元気いっぱい、和気あいあいとしたご様子の皆さん!
 楽しそうにお話をされながら、収録開始を待たれます。
 全員が揃ったところで、原作者の大和名瀬先生のご挨拶が行われた後、テスト収録へ。
 前作の声を聞きながら、キャラクターの確認をしていきます。
 その後、数シーンを演じていきながらさらに細かく各キャラクターの設定を行っていきます。
 
 藤田孝紀役の岸尾だいすけさん。
 一児の父親ではありますが、やんちゃで息子・裕紀と友達のような関係だったり、
 かと思うと大人の責任感、真面目さを見せたりと、表情がころころと変わるキャラクター。
 彼の子供っぽさと大人の部分が交り合った複雑な演技が求められます。
 また、前半部分と後半部分で、表情や感情表現の度合を変えて頂き、
 藤田が井吹に徐々に心を開いていく様子を意識して出して演じていくことになりました。
 
 井吹隆哉役の川原慶久さん。
 前作同様、井吹先生の先生然とした、厳しく威厳のある声色がとても素敵です。
 藤田とは違い、感情があまり表にでないタイプの井吹。
 間や息などを使って、ニュアンスで感情を表現させてほしいという難しいリクエストが…!
 また、普段の謹厳な教師とは違い、『デンジャラスイブ』と呼ばれ恐れられていた元ヤン時代を彷彿とさせるような場面は、
 昔の凶暴性と今のストイックさのギャップを出して演じてほしいとの要望が伝えられました。
 
 古森忠道役の杉田智和さんと、多岐川恭役の諏訪部順一さん。
 第一声から相変わらず、おっちょこちょいなところがありつつ一生懸命な古森と、先生や生徒たちからも人気者の多岐川がそこに…!
 久しぶりの収録にも関わらず、以前と変わらない個性豊かなキャラクター達が目の前に現れました。
 どのキャラクターも一発OKですぐに本番へ。
 
 物語は、息子・裕紀のことで学校に呼び出された藤田が井吹に注意を受けるシーンから始まります。
 何かにつけて口うるさく言ってくる井吹に、敵愾心を持っているということもあって、
 初めは藤田のセリフの端々に苛立ちが見え隠れします。
 井吹に過去のことをばらされたくなければと、藤田はお酒をおごらせるのですが…。
 一方、そんな藤田の言動に動じることなく、まるで子供を相手にしているかのように余裕綽綽の井吹。
 相反する二人の性格が、テンポのいいやり取りで表現されていてとっても面白いです!
 
 岸尾さんの演じられる藤田は、離婚により若くして一人で裕紀を育てているシングルファザー。
 性格が明るく元気なため、一児の父というよりはやんちゃで学生のような印象を受けるキャラクターです。
 息子の裕紀と一緒にはしゃいだり、ちょっと喧嘩っ早かったり、意外と泣き虫だったりと表情がくるくると変わります。
 かと思うと、ふとした場面で、息子への深い愛情や父親としての表情も見せたり…
 岸尾さんが声のトーンや強弱を操って、そんな彼の色々な表情をリアルに表現されています。
 
 一方、井吹は鬼畜で強引。そして、いつも表情が変わらず常に冷静で、感情が表に出にくいキャラクターです。
 そのため、物語冒頭部分では、藤田に対しての距離感や感情を出す具合が非常に難しく、少々苦戦されているご様子の川原さん。
 クールで抑えたトーンの中にもどことなく彼の心情一つ一つが感じられるよう、繊細な演技が要求されましたが、
 何度かディスカッションの後、息や間、セリフの端にそっと井吹の感情を乗せて、彼の内側にある思いを巧みに表現してくださいました。
 強引な行動は藤田への愛ゆえだったり、冷静な姿の中にも井吹の優しさがにじんでいたり…
 丁寧なお芝居で井吹というキャラクターの魅力をより引き出してくださっています。
 
 初めは、井吹をむかつく男だと思っていたのに、彼の不器用な優しさに気づき、少しずつ心を開き始める藤田。
 一緒にお酒を飲んだり話したりしているうちに、お互いの性格や考え、素の部分を知り、徐々に井吹との距離が近づいていきます。
 物語が進むにつれ、その藤田の心情の変化を岸尾さんが丁寧に演じてくださっています。
 井吹に心を許し、普段明るく元気な藤田が心の底に抱える、自分の不甲斐無さ、寂しさ、苦しみ、悩み…
 様々な思いを彼に吐露するシーン。
 声を震わせ、藤田の寂しい心情がぶわっとあふれ出した岸尾さんの演技に、思わず胸が痛くなるほどキュンとさせられます。
 昔は同じ場所(ヤンキーの世界)にいた井吹なら自分の気持ちをわかってくれるのではないか、
 彼に理解してもらいたいと縋る姿がなんとも切ないです!
 
 そして、井吹もまた藤田との距離が縮まったことによって変化が。
 藤田のことになると、冷静ではいられなくなる井吹。動揺したり、焦ったり、怒ったり、やきもちを妬いたり…。
 藤田が一人で行ったバーでナンパされた男に迫られるシーンでは、男の首根っこをつかみ、力強く振りはらって「失せろ」と一言!
 背筋がぞっとするようなドスの効いた声色が本当に怖いです。
 まさに『デンジャラスイブ』降臨です! 藤田のことになると普段の教師としての井吹とはうって変わって、彼の激情が溢れだします。
 川原さんが教師の井吹と藤田の前での井吹との使いわけをメリハリをつけて演じてくださっています。
 クールで厳しい先生の顔と激情を溢れさせる強引な顔。
 川原さんが演じられる2つの井吹の表情をぜひご堪能下さい!
 
 お互いがお互いを思っているにも関わらずじれったい関係が続き、聞いている方がもどかしくも
 藤田と井吹・二人の関係にやきもき&ドキドキさせられるのですが、そんな曖昧な関係を終わらせるため井吹がとった行動は、
 悩むくらいなら行動しようと体を繋げることで…!
 この場面の井吹の有無を言わせない強引さがなんともかっこいいです!!
 強引&鬼畜だけど、藤田への愛情がたっぷりなのが伝わってくるんです…!
 思わず一緒になってメロメロになることは間違いありません!
 
 そんなこんなで、少々強引ではあったものの二人の関係は進展し、恋人同士となった藤田と井吹。
 幸せいっぱいな日々が始まる…と思いきや、またも波乱が!
 幸せと不安は表裏一体。井吹を好きになってしまったからこそ、関係が終わるのを恐れ、自分の気持ちをセーブしてしまう藤田。
 彼の臆病さと井吹の不器用さがすれ違いを生み、一旦は近づいた二人の距離が離れてしまいます。
 そして――。この続きはCDを手に入れてお聞き頂ければ幸いです。
 
 それから、出番は多くはありませんが、古森&多岐川カップルの存在感も抜群です!
 杉田さんが何事にも一生懸命だけれどもおっちょこちょいなところが可愛い古森の魅力を的確に表現してくださっています。
 また、諏訪部さんの色気があり、甘く、優しい雰囲気を推し出した多岐川の声色が本当にかっこいいです。
 そして、二人が話をしているシーンでは、お互いに愛おしい気持ちがこぼれ、溢れんばかりの甘い雰囲気に聞いているこちらが照れてしまいます!
 今作では終始ラブラブしっぱなし。前作よりもパワーアップした甘さ満点の二人にもぜひご注目ください。
 
 そして、お楽しみの藤田と井吹が肌を重ねるシーンは、ちょっぴり強引に…、井吹のやきもちからそのまま…♥
 など様々な場面が満載です。
 オススメはすれ違っていた二人の心が結ばれた後、ラブラブいっぱいの最後の場面です!
 離婚のトラウマから、本気で誰かを好きになり、その後捨てられることを恐れていた藤田。
 ですが井吹の真摯な想いが、そんなしがらみから藤田を解き放ちます。井吹のことをもっと本気で好きになっていいと、
 箍が外れたように身も心も素直になった藤田の可愛さはハンパがないです。
 そして井吹の方も、もう藤田をはなしたくない、好きで好きで仕方がない、自分と同じくらい求めて欲しいと、
 必死に藤田を求め…その姿にはキュンとときめかされること間違いなし!
 寂しがり屋な藤田と、不器用で強引だけど、彼を本気で愛している井吹との幸せいっぱいラブラブ場面は本当に素敵です。
 心も体もぴたりと重なった二人の幸せな様子をぜひお聞きください。
 
 こぼれ話――。
 余談ではありますが、収録中、こんなエピソードが。
 漫画では台詞がなく絵だけで表現されている場面も、ドラマCDでは音だけですべて表現しなければなりません。
 
 自宅の窓から夜景を見つめて、無言で藤田を思う井吹…という場面では、プロデューサーから「井吹の存在感を出してください」いう難しい要求に、
 
 
 
	| 川原さん | 「難しいな…。“(いい声で)井吹です…”っていっそ名乗ってみる? それとも…“(いい声で)藤田くん”…って言ってみましょうか?(笑)」 |  
	| 全員 | 「(笑)」 |  と、いい声で冗談を交えつつ、いろいろと試行錯誤されていました。
 本番では息だけで井吹の存在を表現されています。さすがです!
 
 また、こんな場面も。週2日の井吹との逢瀬に浮かれ、藤田が嬉しそうにご飯を作るシーンがあるのですが、
 岸尾さんのアドリブが光ります(笑)。
 より一層藤田のウキウキとした感情が伺えるこのアドリブ、どのセリフが岸尾さんのアドリブなのかは
 実際にお聞き頂いて、見つけてみてくださいね!
 
 終始わきあいあいとした雰囲気のまま収録は順調に進み、無事に本編が終了となりました。
 
 そして、特典ミニドラマCD。こちらはコミックス掲載エピソード「放課後」を音声化したものになります。
 約束の時間を守らなかったことにより藤田が井吹におしおきされてしまうお話で…
 ラブラブ&甘い“おしおき”は赤面ものです!!
 井吹のおしおきに、生意気な言葉を言いつつも徐々に乱れていく藤田の可愛さに悶え、
 井吹の色気ムンムンのセクシーな声での言葉攻めにやられてしまうこと間違いなし!
 井吹の藤田への独占欲と、藤田を求めて、求めて、求めてまくる様子がすさまじいです(笑)。
 ですが、若さゆえのがっつきとは違い、岸尾さんと川原さんの絶妙な演技により、
 しっかりと大人のラブシーンへと仕上がっていますので、ご安心を。
 本編CDだけでなく、こちらの特典もぜひお聞きください。
 
 今作も前シリーズ同様、大和名瀬先生の描かれた魅力的なキャラクター達を音で表現できるように、
 拘りに拘った収録は無事終了となりました。
 長時間の収録でお疲れにもかかわらず、「お疲れ様でした~」とにこやかにスタジオを後にされたキャストの皆さん。
 本当にお疲れ様でした!
 2013年第一弾目! 1月28日発売、「最恐教師~教師も色々あるわけで~」。皆様ぜひお楽しみに。
 
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