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Recording Report

課外授業 収録レポート



4月下旬、都内スタジオにて「課外授業」の収録が行なわれました。

収録当日、続々とスタジオ入りされるキャストの皆さん。
皆さん、気心の知れた仲のようで、終始なごやかな雰囲気で収録開始を待たれます。
全員が揃ったところで、テスト収録が開始され、数シーンを演じていきながらキャラクターの設定が行なわれます。

ドラマCD版「課外授業」では、梅太郎先生の作品の世界観と、キャラクター達の抱える深い想いや行動を
どのように表現するのかが最大の課題であり、特にキャラクター設定の段階で試行錯誤が繰り返されました。
音だけでキャラクターの表情や動きを聴く側に伝えられるように、キャストの皆さんには声のトーンを変えたり、
感情の起伏の幅を変化をさせるなど、数パターンを演じていただきながら、基本ラインを調整していきます。

クールな教師・朝倉を演じられる平川さん。
テストでは、どこか厭世観を漂わせた、物憂げでしっとりした大人の雰囲気がイメージぴったりということで、そのまま本番へ。

一見優しげな同僚教師・津田を演じられる羽多野さん。
低めの落ち着いた、柔らかい雰囲気がとても素敵です。更にその上で、心の奥に何か暗い部分を持っているような危うさが
見え隠れする感じを出してほしいというリクエストが。「優しい中に怪しい雰囲気をじんわり出すという感じで…はい、分かりました」と、
真剣に台本に向き合われる羽多野さん。

朝倉と津田の生徒・瀬尾を演じられる梶さん。
まっすぐで気が強く、生意気そうな感じがまさにキャラクターそのものということで、こちらも一発OK。
その他の各キャラクターの的確なイメージや要望などもキャストの皆さんに伝えられ、キャラクター設定が終了しました。

物語は、津田と瀬尾の情事を朝倉が目撃するという何とも衝撃的なシーンから始まります。
さわやかで優しい先生として通っていた津田の意外な姿――。
5年前の出来事と、現在。朝倉と津田の複雑な関係が大きく動き出す印象的な場面、
朝倉役の平川さんのどこか淡々としたモノローグに、ぐっと物語の世界に引きこまれていきます。

朝倉を演じられる平川さんは、夢だった教師という職業についたものの、失望を感じ、無気力に生きている朝倉の心情を
丁寧に表現して下さいました。
物語の序盤、淡々とした口調で紡がれる台詞の中にもどこか気だるい雰囲気が醸し出されていて、まさに朝倉のイメージにぴったりです!
5年前の回想シーンのはすっぱな態度に、現在のどこか陰のあるトーンと、様々な表情を見せる朝倉。
津田の行動に振り回され、心をかき乱されていく様子は本当に切なく痛々しいです。
幼い頃のトラウマや、周囲からの侮蔑の眼差し、津田から向けられる重すぎるほどの愛情。
立場的にも精神的にも行き場を失っていく朝倉。こんな自分を愛してくれるのは津田だけ――。
最初は津田の想いを否定しながらも、自らの置かれた辛い立場の元凶ともなった彼の側に自分の居場所を見つける……。
難しい心理描写を見事に演じられる平川さんの演技はまさに圧巻です!

津田役の羽多野さんは、一見優しげでありながらも心の奥底に深く暗い想いを抱えた津田という複雑なキャラクターを表現するために、
繊細な演じ分けが要求されました。
過ぎるほどの愛情故に、他の誰を傷つけても、朝倉本人を苦しめてでも自分の物にしたい、側にいてほしいという、
どこか狂気すら感じられる想いが、羽多野さんの絶妙な演技によって苦しいほど伝わってきます。
基本的には優しいラインで、笑顔を浮かべていながらも、その中に狂気のニュアンスや朝倉以外に対する残忍なまでの
無関心さを表現するために、細かい調整をしつつ、キャラクターの心情を表現される羽多野さん。
終始、細かい台詞の一つにまで、笑顔の中に空虚さがほしい等、難しいリクエストが伝えられましたが、
息づかいや間、囁きや声音などで感情の幅を微調整していきながら、とにかく細かく演じわけをして下さっています。
羽多野さんの繊細な演技によって、津田がただの嫌な奴ではなくどこか愛おしささえ感じられるようなキャラクターに仕上がっています。

そして瀬尾を演じられる梶さん。
こちらも愛憎渦巻く複雑なキャラクターですが、若さと嫉妬故に、まっすぐだけど素直になりきれない、尖がっている雰囲気が絶妙です!
津田と関係を持ちながらも、彼が全く自分を見てくれていなかったことの悔しさ、切なさが全て朝倉に憎しみとして向かっていく様子が、
梶さんの的確な演技で何ともリアルに感じられます。
抑えきれない憎しみ、自分のしたことへの後悔、愛情のあり方について――。
津田と朝倉に振り回されながら、どんどん成長していく様を梶さんが色鮮やかに表現して下さっています。
物語のクライマックス、その存在が朝倉と津田の関係を大きく動かす一因にもなっていますので、お楽しみに!

自身に向けられた重たいほどの愛情に恐れを感じつつ、どんどん行き場を失っていく朝倉。
津田に振り回されて戸惑いながらも、他人から向けられる悪意に打ちのめされ、全ての元凶でもある津田に流されていきます。
戸惑い、悲しみ、怒り、恐れ……朝倉の気持ちの揺れを繊細に表現して下さる平川さん。
そして、どこか歪な津田の二面性を絶妙に見え隠れさせて下さる羽多野さん。
キャストの皆さんの熱演に、収録は順調に進んでいきます。

物語終盤では、原作者の梅太郎先生監修のオリジナルエピソードが盛り込まれています。
津田がなぜ朝倉をそこまで想うのか。幼い頃の思い出と、朝倉との思い出を語る津田。
羽多野さんが抑えたトーンで語られる津田の心の内。
声は落ち着いているのに、津田の心が泣いていると伝わってくるような羽多野さんの切ない語りは必聴です!

津田の想いに触れ、彼を心から受け入れた朝倉。
どこか悟ったような平川さんの台詞回しが胸を打ちます。そして、そんな朝倉を解放しようとする津田。
どこか諦めたような津田と、朝倉の津田への胸に秘めた想いが物語のクライマックスを盛り上げます。
これまで津田の愛情に戸惑い、振り回されてきた朝倉が、津田を心から受け入れ愛していると語るモノローグは、
平川さんの優しい声音と語り掛けるようなトーンに、思わず胸がジンとさせられます。
その後、二人がやっと心から結ばれるシーンは、とても切なく胸をうちます。
平川さんの温かさ溢れる演技と、羽多野さんの震える息や紡ぎだされる台詞に、これまでの二人が
痛々しいほどにすれ違って傷つけ合っていた分、幸せになってよかった! と思える素敵なシーンになっています。

そして二人が肌を合わせるシーンは、どのシーンもそれぞれ原作の雰囲気を大事に、丁寧に演じて下さいました。
5年前の朝倉が津田を翻弄する場面から、津田に脅されて体を重ねる場面、津田の部屋に捕らわれて情事を重ねる場面。
他にもできるだけ原作に忠実に、回数も多いですが、何よりどのシーンもそれぞれ熱を入れて演じて頂いています。
どの場面も色っぽさはもちろん、どこか切なさも漂う聞き所満載の場面に仕上がっていますので、お楽しみに。

本編終了後、購入特典のフリートークでは、平川さん・羽多野さん・梶さんの三人で、楽しいお話を繰り広げて下さっています。
収録中の様子や、キャラクターについてなど、ここでしか聞くことが出来ないお話が詰まっています。
難しい役作りについてのお話や、先生のお話、キャラクターに共感できる部分、似ている部分のお話では、
まさかの津田と羽多野さんの共通点に一同驚愕!? ともりだくさんです! 
仲の良いお三方のわきあいあいとしたトークに、スタッフブースは笑い声に包まれました。

原作の濃厚かつ繊細な心情のやりとりと世界観を音で表現できるように、こだわりにこだわった収録は、無事終了となりました。
長時間の収録でお疲れにも関わらず、「お疲れ様でした!」とさわやかにスタジオを後にされたキャストの皆さん方。本当にお疲れ様でした!
6月28日発売、「課外授業」。皆さんぜひお楽しみ下さい!!

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